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(PRTR 法)

ドキュメント内 環境報告書 | KEK (ページ 37-62)

た物質(462 種類)を年間 1 t(特定第一種指定化学物質 15 物質については 0.5 t)以上取り扱う事業所で、業種 や従業員数などの要件に合致するものについて、その排出量・移動量を届け出ることを義務付けています。KEK において、2014 年度は届出の対象となる量の取り扱いはありませんでした。

(PRTR 法)

エネルギー管理

KEK は特定事業者として指定されており、「機構長」をトップとしたエネルギー管理組織の下、エネルギー管理 を行っています。

(エネルギーの使用の合理化に関する法律)

廃棄物管理

(廃棄物の処理及び清掃に関する法律、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推 進に関する特別措置法)

機構の研究活動で発生する廃棄物類は、1) 一般廃棄物類、2) プラスチック、木屑類、がれき類などの産業廃 棄物類、3) 研究活動で発生する廃油類や有機系・無機系の廃液類、化学物質等を含む固形廃棄物類などの実 験系の産業廃棄物に、大きく分類されます。これらは廃棄物の種類に応じた廃棄物処理業者に委託し、適正に 処理しています。また、実験系廃棄物類の一部は、機構内の実験廃液処理施設において無害化処理しています。

1989 年以前に製造されたトランスやコンデンサ、安定器 などの電気機器の一部には、絶縁油中に有害な化学物質の PCB(ポリ塩化ビフェニル)を含むものがあります。PCB を含 む機器類は「PCB 廃棄物の適正な処理の推進に関する特別 措置法」により適切な保管と届出が求められ、KEK において も PCB 廃棄物専用の保管庫で厳重に保管すると共に、保管・

使用状況を毎年茨城県に報告しています。

2014 年度は、使用を中止した低濃度 PCB を含有する高圧 トランス 3 台、変圧器 2 台、高濃度 PCB を含有する照明用 安定器 4 台を新たに登録し、適正に管理しています。また、

PCB 保管場所の表示板の更新を行いました。今後も使用中 の機器類の取り扱いも含め、計画的に処理、保管を行ってい きます。

分類 台数 総重量 (kg) 高濃度 PCB を含有する廃止済み機器

照明用安定器 62 161

低濃度 PCB を含有する廃止済み機器

高圧コンデンサ 29 1,434  低圧コンデンサ 159 25  高圧トランス 20 24,500  直流高電圧発生装置 2 3,000 

変圧器 2 63

低濃度 PCB を含有する使用中機器

高圧トランス 64 68,489 合計 338 97,672  保管中・使用中の PCB 含有機器(2014 年度末現在)

環境関連トピックス

環境配慮に貢献する研究や環境に配慮した取り組みについて紹介します。

光を吸収してルテニウム(Ru)からコバルト

(Co)へ電子が移動するプロセスと時間

光合成の初期過程をモデル化合物で再現

KEK 物構研の足立伸一教授、野澤俊介准教授らは、理化学研究所、高輝度光科学研究センター、スウェーデ ン ルンド大学、デンマーク工科大学を中心とする研究グループとの共同研究により、光合成反応のモデル化合物 内で電子が移動する過程を、X 線自由電子レーザー(XFEL)施設 SACLA を用いて可視化しました。

植物が行う光合成は、葉の中にあるクロロフィルという色素が光エネルギーを吸収することで、クロロフィルか ら電子が一つ抜け、別の分子へ移動することから始まります。これは光合成反応初期過程の最も重要なプロセス の一つですが、約 1 ピコ秒(1 ピコ秒=1 兆分の 1 秒)という極めて短い時間内に進行するため、クロロフィルが 光を吸収してから、電子一つが移動するプロセスは大きな謎に包まれていました。

研究グループは、クロロフィルにおける電子移動のモデル化合物とし て、ルテニウムとコバルトを含む分子を用いました。この分子に 0.1ピ コ秒という短い時間幅の可視光を照射すると、ルテニウムから1 個の 電子が抜け、抜けた電子が分子内を移動してコバルト側に移る様子を 観測しました。このような金属原子の間の電子の移動過程は、X 線発 光分光*1という測定法で、また電子の移動に伴う分子構造の変化は、

X 線溶液散乱*2という測定法で精密に調べることができます。本実験 では、可視光を照射した後に時間を追って X 線発光分光と X 線溶液 散乱を同時に測定したところ、光照射から約 0.5 ピコ秒後にコバルト 側に電子が移動して、コバルトの状態が三価から二価へと変化し、さ

らに約 2 ピコ秒後にコバルト原子周辺の分子構造が変化することが明らかとなりました。

この結果は、植物の光合成を理解することに役立つだけでなく、光合成反応を模倣して、人工的に光エネルギー を化学エネルギーに変換する人工光合成の開発に役立つことが期待されます。研究グループは、この手法を用い て太陽光を利用した人工光合成のための光触媒の開発研究も精力的に進めています。

*1 X 線発光分光

物質の電子状態を調べるため手法の一つ。物質が X 線を吸収し、その後の緩和過程で発光する X 線をエネルギー分光する ことで物質の電子状態を調べる手法。

*2 X 線溶液散乱

溶液中の分子の構造情報を得るための手法の一つ。溶液中の分子によって X 線が散乱され、その干渉パターンから分子構 造を調べる手法。

本 研 究 は、 文 部 科 学 省 X 線自由電子レ ーザー重 点戦 略 研 究 課 題の支 援を 受けて実 施 され、 科 学 雑 誌『Nature  Communications』のオンライン版(3 月 2 日付け)に掲載されました。

関連サイト

2015 年 3 月 3 日 物構研トピックス 光合成の初期過程をモデル化合物で再現 http://www2.kek.jp/imss/news/2015/topics/0303RuCo/

独立行政法人(現 国立研究開発法人)日本原子力研究開発機構 福島環境安全センター・量子ビーム応用研究 センターの元川竜平研究副主幹、矢板毅ユニット長、KEK 物質構造科学研究所の遠藤仁准教授、一般財団法人 電力中央研究所の横山信吾主任研究員、国立大学法人山形大学工学部の西辻祥太郎助教による共同研究グルー プは、土壌成分のひとつである粘土鉱物「バーミキュライト(図 1)*1」が、セシウムイオンを多量に取り込むメカニ ズムの解明に成功しました。この成果は、福島県の汚染土壌を取り扱う上で有用な知見を含んでおり、セシウム イオンの環境移行、土壌からのイオンの溶脱方法、減容化方法の開発など、福島県内の環境回復問題に大きく 貢献することが期待されます。

東京電力株式会社福島第一原子力発電所での事故以降、環境中に放出された放射性セシウムの土壌、河川、

海洋での振る舞いや、除染技術の開発に関連する研究が数多く実施されています。その中でも、土壌の粘土鉱 物成分である「バーミキュライト」、とセシウムイオンとの吸着メカニズムを明らかにすることは、大きな研究課題 の一つに取り上げられていました。

従来の研究では、セシウムイオンを中心とする約 1 ナノメートル(1 メートルの 10 億分の 1)程度の空間の構造 や物性に注目することで、バーミキュライトへの吸着メカニズムを明らかにしようとする取り組みがほとんどでし た。これに対し、本研究グループではセシウムイオンのみならず、バーミキュライト側の構造変化にも注目し、セ シウムイオンがバーミキュライトに吸着したときに起こる構造変化を、0.1-100 ナノメートルの幅広い空間スケール で観察しました。この実験には、メゾスコピックレベル*3の構造を観測することに最適なX線小角散乱法*4とい う方法を用いました。

X線小角散乱法で得られたデータを詳細に分析したところ、セシウムイオンの吸着はバーミキュライト中の特定 の層の間に、ある程度まとまった集団として(協同的に)取り込まれることがわかりました(図 2a)。そして、これ

福島の土壌が僅かなセシウムの取り込みにより多量 のセシウムを呼び込むメカニズムを解明 

−放射性セシウムが吸着した粘土鉱物のミクロな構造変化−

土壌は、動植物由来の有機物、砂、礫、粘土鉱物など、様々な成分によって 構成されています。このうち、粘土鉱物の一つであるバーミキュライトが今回の 研究対象です。粘土鉱物は、厚みの薄いシート状の無機物が積み重なった構造 をとっており、上下のシートの隙間(層間)に陽イオンを取り込む性質を持ってい ます。これまで、福島県内の汚染土壌中で、バーミキュライトの層間にセシウム イオンが強固にかつ選択的に取り込まれることに関して、大きな関心が寄せら れていました。その理由は、バーミキュライトがセシウムイオンを吸着するメカ ニズムを、原子レベルのミクロな世界で明らかにすることができれば、放射性

セシウムによって汚染された土壌の減容化や安全な取り扱い方法、中間貯蔵施設*2の安全性評価、環境中にお けるセシウムの移行モデルの構築など、多くの場面でその知見が利用できるためです。

今回、研究グループは、バーミキュライトの或る場所に放射性セシウムイオンが 1 個だけ吸着すると、その隣 にもセシウムや化学的性質の類似したイオンが吸着しやすくなるため、その粘土層に多くのセシウムイオンが取り 込まれることを明らかにしました。さらに、このことがきっかけで、2 つの粘土層がはがれ、それぞれの粘土層 の表面にもセシウムが吸着しやすくなり、バーミキュライトに対してドミノ倒しのように、次々とセシウムイオンが 吸着していくことを解明しました。

図 1. バーミキュライト

ドキュメント内 環境報告書 | KEK (ページ 37-62)

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